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    歌詞解説 : Killer Killer / DÄLLE

    ryo official FC「YOUR」

    2025/08/01 19:00

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    歌詞解説にリクエストが来た!

    と思ってウキウキで解説文を書いたら

    「回答は1000文字以内で」と言われて書き込めなかった・・・・

     

     

    ということで、こちらにメンバー限定記事にします。

     

    リクエストくれた悠紀🍙さんありがとう!

     

    より多くの人に見てもらいたいということがあったら

    公開範囲をフォロワーか、全体公開に変えますのでいってくださいね。

     

     

    原曲じゃないけどちょうど新作Albumのティザーが届いたばかりだから

    せっかくなので、こちらに貼りつつ。

     




    Killer Killer / DÄLLE

     

    夜が見守る貴方を掬おうとする梟

    些細な違いが産み出した機雷だ

    銃口は後ろ目のない揚羽

    裂け目塞げ捩じ込むやつだ

     

    逃げろ伏せろ食い鵺が来る

     

    煤を浴びた姫君 瓦礫で遊ぶ王子

    キラキラとガラスが降ってくる

     

    消えない昨日が

    傷を見せているみたい

    列を成すオレンジは燃える人影

     

     

     

    20250801 解説

     

     

     

    初の解説リクエストです!

    ありがとう!



    なんかずっとリクエストも来ないから

    この項目はいずれ削除かなーと思って見に行ったら

    少し前に届いておりました。

     

    オーナーに通知来ないのかな。。

     

     

     

     

     

    さて、解説していきましょう。

     

    端的にいうと、この「Killer Killer」は「キラキラ」のオノマトペのダブルミーニングです。

     

     

    80年前の今日、1945年8月1日から8月2日にかけて

    新潟県の長岡市で長岡空襲がありました。

     

    第二次世界大戦の末期です。

     

     

     

    自分は新潟市出身なので、人ごとではありません。

    というか、新潟市は原子爆弾攻撃の予定地だったため、

    人口の二番目に多い長岡市に焼夷弾爆撃がされました。

    焼夷弾攻撃は新潟市も受けていたそうです。

     

     

    爆撃は1時間40分続いたとされています。

    1,500名近い方がなくなったこの空襲は夜間に行われました。

     

     

    街は焼け、焼け落ちた家々で少女は煤を浴びたことでしょう。

    資料を読むと、煤どころか手足は爛れていた方の声もあります。

     

     

    爆撃が次いつ来るかわからない中、少年は眠ることはできなかったでしょう。
    瓦礫を積んでは崩して遊んでいたかもしれません。

     

     

    爆風を浴びた窓は割れ、頭上から降ってくる。

     

    街を燃やしている炎の灯りで「キラキラ」と輝きながら。

     

     

     

    これがサビで歌っている歌詞の部分です。

     

     

    長岡では例年、全国的に有名な花火大会をやっています。

     

    特に最後、空襲の始まった午後10時30分に打ち上げられる

    白一色の尺玉の花火は慰霊の花火だそうです。

     

     

    現代の人はそれをみて、「綺麗」というでしょう。

     

    恒久の平和を願い、夜空を美しく埋め尽くす巨大な花火は

    戦火のガラスのようにキラキラと輝き、明滅して落ちていきます。

     

    一度知れば、その綺麗さには悲しみや、乗り越えて未来へ進む強さと

    消えない過去への鎮魂の願いとして、より深く鮮やかに夜空を照らしてくれるように見えてくることでしょう。

     

     

     

     

    シンデレラを想起させる単語の引用は意図的です。

     

    綺麗な花火を見上げ、コロナ前は108万人が訪れたというこの長岡花火に照らされた

    人の群れは時に、戦火から逃れる人影と重なることもあるでしょう。

     

     

     

    この「Killer Killer」は反戦の歌です。

     

     

     

    胸を苦しくさせたいわけではありません。

     

    人はその時代や、知り得た情報によって

    目の前の景色に大きな意味の変換をする。

     

    美しいものの陰には美しくさせるだけの成り立ちがあったりすることを知ると

    人はもっと優しくも、強くもなれたりするんじゃないかなという想いで書いた詩です。

     

     

     

    長岡の空襲だけにスポットを当てて書いたわけではありません。

     

     

    冒頭の「夜が見守る貴方を掬おうとする梟」は、

    焼夷弾攻撃の戦闘機として解釈してもいいし、

    近年の戦闘機で使われているドローン攻撃機と解釈してもいいわけです。

     

     

    そのほか、暴力的な描写に関しては細かく解説するとエグくなるので割愛しますが

     

     

    曲中に凶悪なグロウルが出てきたりするのは、言葉にできない

    沈痛な感情の表現です。

     

     

     

    戦争は人が死にます。

     

     

    殺人も人が死にます。

     

     

    殺人者なら「Killer」ですが

     

    戦争は人も、文化も、生活も、歴史も殺します。

     

     

    だからタイトルを「Killer Killer」にしています。

     

    これで「キラキラ」とのダブルミーニングが完成です。

     

     

     

    オブラートに包んだ歌詞を御伽噺のように楽しんでも正解です。

     

    必ずしも反戦のメッセージに気づかなくてもOKです。

     

     

    でもいつか、時間が経った時や今回の歌詞解説がきっかけで

    新たな発見をしてくれていたら嬉しいです。

     

     

     

    昨今、世界情勢も日本を取り巻く色々なものがきな臭いですよね。

    現実にならないといいと思いながら、平和を願うこういった曲があってもいいと思っています。

     

     

     

    もう随分前に他界した父は終戦直後に生まれました。

     

    長岡空襲の後、原子爆弾の投下が新潟市から除外されていなかったら

    おそらく自分は生まれてこれなかったでしょう。

     

     

    必ずしも美しいだけじゃないこの世界で

    命の奇跡と、人の歩みを「キラキラと輝いて」感じられる

    そうありたいと願う歌です。

     

     

    ryo

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